元オーストラリア留学生のコンコンタです。
1年間メルボルンにワーキングホリデーで留学していました。
この話を日本ですると「オーストラリアで就職しようと思わなかったの?」とよく尋ねられます。
あわよくばという思いではありましたが、滞在中にオーストラリアでITエンジニアの正社員になろうと求職活動をしていた時期があります。
結論から言うと途中で挫折し、アルバイトの求職に切り替えました。
理由は簡単で、僕の考えが甘すぎたからです。
オーストラリアでの求職に必要な事や、なぜ僕が諦めるに至ったのかをまとめていきます。

求職時の僕のスペック
日本での経歴やら
当時26歳 日本では大きいIT企業で3年ほど仕事をしていました。
プログラミングを始めとしたIT知識はそれなりに自信がありましたので、海外でも仕事を見つけられたりするかな〜なんて考えていました。
英語力もある程度は
日本から出国する時点ではTOEIC660点
高くは無いですが、Skype英会話を2年ほど続けて会話の練習はしていましたので会話はそこそこできました。
日常会話的なやり取りでは困ることはありませんでしたし、求職を始めたのはオーストラリアに住み始めてから4ヶ月後のこと。
語学学校もほぼ卒業まで通っていたので、自信もつき始めていた頃でした。

求職活動
大手の求人サイトを利用
オーストラリアでの求職の定番は求人サイト「SEEK」
自分からの求人に応募するだけでなく、履歴書とカバーレターを登録しておくとエージェントや企業からオファーが来ることもあります。
あわよくば会社員になりたいと考えていた僕は、語学学校の先生に添削してもらいながら履歴書とカバーレターを書き上げて意気揚々と求職活動に挑みました。
オーストラリアでの求職書類に着いてはこちらの記事にまとめてあります。
そもそも応募できる企業が無い
先生からお墨付きの書類を引っさげて求人を探していた僕ですが、あることに気がつきます。
僕が応募できる求人が殆ど無かったのです。
企業からの求人のほとんどは前提条件に「オーストラリアの永住権を持っていること」を掲げています。
つまり、ワーキングホリデービザの求職者は基本的に対象外です。
ワーキングホリデービザには「同じ雇用主の元では6ヶ月しか働いてはならない」という制限があります。
6ヶ月しか働けない人間を会社が雇用することはなかなかありません。
たとえビザが要件に満たなくとも、スキルがマッチしていればもしかしたらチャンスがあるかもしれない!
そんな思いで、何社かにはエントリーをしてみました。

SEEKの求人の例

エージェントと面接
エージェントからオファーが来る
色々な企業にエントリーはするものの、一切返事が来ませんでした。
そんな中、現地の日本人用就職エージェントから1通のオファーが来ます。
仕事内容はアメリカの大手IT企業の日本人向けのサポートデスクでした。
日本語でソフトウェアのトラブルサポートをしつつ報告書を英語で書いて提出するという仕事で、これまで見てきた仕事の中で一番希望がありそうな内容です。
エージェントさんと面談
シティ内にエージェントさんのオフィスがあるとのことで、早速面談をしてみることに。
仕事内容は前職の経験が十分に活かせそうな感じ
正社員ではなく契約社員のような形態でしたが、給与は時給$25(約2000円)で有給休暇付き
待遇はアルバイトよりも遥かに良いものでした。
連日成果のない求職活動をしていた僕にとってはヨダレが出るような良い話です。
エージェントさん曰く、日本語ネイティブでITエンジニアのスキルを持っている人は多く無いそうでワーキングホリデービザの僕にも希望があるとのことです。
とはいえ希望があるという程度なので、ダメ元の気持ちでいてくださいとも言われました。
この機会にエージェントさんにも質問してみましたが、やはりワーキングホリデービザで会社員のような求人は殆ど無く、契約社員やパート事務員の求人すら無いと言っていました。
後日の連絡
面談の1週間ほど後にエージェントから連絡がありました。
結果は落選とのこと
僕のスキルや経歴に関しては先方は非常に興味を持ってくれていたとのこと
しかし、ワーキングホリデーであることがネックになり、先方からは何度もパーマネントビザを取れる見込みは無いのかと質問されたと言っていました。
エージェントさんの営業トークかもしれませんが、またしてもビザがネックになったということでやはり就職は難しいのだなと感じました。
ワーキングホリデーで滞在している以上、アルバイトをするのが適当なのだろうなと実感して僕は正社員就職を諦めました。
その後、日本食レストランで英語環境のアルバイトができたので悪くはなかったです。

オーストラリアで就職するには
年々厳しくなる要件
オーストラリア政府の定める就労ビザ獲得の要件は年々厳しくなっており、20年前と比べると比較にならない程だそうです。
オーストラリアに永住して働く日本人の話を耳にするかもしれませんが、大多数は制度が厳しくなる前に永住権を獲得した方々です。
永住権を獲得している知り合いもいるし、自分もイケるだろうという考えは通用しないようです。
行き当たりばったりでは難しい
僕が就職できなかった原因は明白で、圧倒的な下調べ不足です。
IT分野の経験は世界で受け入れられる という都合の良い情報だけを鵜呑みにし、具体的な就職のプロセスを一切下調べせずに求職活動に挑んでいました。
本当に就職したいと思っていたのなら、ワーキングホリデービザの求人がどの程度あるのかは調べておくべきだったでしょう。
日本にいる時からオーストラリアの求人情報は確認して求められるスキルを調査しておき、海外でも知名度のある外資系企業で数年の業務経験を積むくらいは必要だったでしょう。
スポンサー企業を見つける
現実的ではありますが、かなり努力が必要です。
コネクションがない限りは、基本的には無理だと思った方が良いと思います。
企業側が外国人とスポンサー契約をするためには煩雑な手続きと多くの費用が必要です。
さらに給与の最低金額も定められており、余程企業から有望視される人材でなければスポンサーになってもらうことはできません。
何のコネクションも無い外国人を雇用するために多額の申請費用と、高い年収を保証することはそうそうありません。
まして、英語が第二公用語ですらない日本人が選ばれることはなかなか無いでしょう。
独立スキルビザを狙う
現実的な手段の一つですが、これも相当ハードルが高いです。
オーストラリア政府が設定したポイント表から自分の得点を計算し、65点以上を獲得した場合に申請できるビザです。
まず英語スキルのハードルが非常に高く、IELTS等の英語スコアがビザ獲得の必須要件になります。
最低でもスコア6が申請に必須
6あってもポイントは0なので、海外での勤務経験があったとしてもビザ獲得は絶望的です。
さらに海外の勤務経験がほぼ必須になります。
この経験が一切ない方はIELTS8を獲得しても65ポイントには届きません。
僕が想像する現実的な方法
僕が想像できる現実的な方法としては、日本でオーストラリアに支社をもつ外資系企業に就職し、そこで熱心にアピールしてコネクションを作ることでしょう。
現地の支社に配属して1〜2年勤務できれば永住は難しくとも、将来的に上記の独立スキルビザの要件は満たしやすくなります。
正直、そのくらいしか思いつきません。
まずはチャレンジ
色々と否定的なことを書き連ねてしまいましたが、オーストラリアで就職したいという思いがあるのならまずはチャレンジしてみると良いでしょう。
運が良ければ、日本語ネイティブを渇望している企業から採用されるかもしれません。
頭の中で延々と作戦会議しているよりは、実際にチャレンジして難しさを体感した方が改善点も見えてきます。
僕も無謀ではありましたが、挑戦しないよりずっと良い経験になりました。
留学などでオーストラリアを訪れる機会があるのなら、ダメ元の求職活動から始めてみてはいかがでしょうか。