アマチュア絵描きコンコンタです
これからデジタルイラストを始めたい!と思っている方に待ち受けているのがイラストソフト選び
定番と言われているソフトの中にも一長一短あります。
基本どれもそれなりの価格なので、目的に合ったものを選びましょう。
僕は漫画を描きたいのでClip Studio EXを使っています。
あくまで僕個人の意見でそれぞれの長短を記事にまとめてみました。

イラストソフトの定番はどれか
定番はこのソフトたち!
現在主流のPC用イラストソフトと言えばこのあたりでしょう
- Clip Studio
- Photoshop CC
- SAI2
- MediBang Paint
もちろん他にもたくさんありますが、今回は流行りのものに絞ってご紹介していきます。
(僕は無駄に全部ライセンス持ってます)
それぞれの長所をまとめ
早見の画像を用意しました。
※ClipStudioはEX版の情報
結論をさっくりまとめると
僕個人の見解ですが、結論を端的にわかりやすくまとめるとこう
- 漫画、アニメも作るならClipStudio
- デザイン込みならPhotoShop
- イラスト描くだけならSAI
- 無料でも優良MediBang
それぞれのソフトの強み弱みについては細かく以下で述べていきます。

シェアNo.1 Clip Studio
Pro版とEX版の違いについて
Clip Studioには2つのバージョンがあり、価格が大きく違います。
- Pro :5,000円
- Ex :23,000円
Pro版で使えない機能はざっくりこんな感じ
- 複数ページの漫画を簡単に編集するいくつかの機能
- 漫画のセリフをまとめて管理するストーリーエディタ
- 他のセルを見ながらアニメのコマを描けるアニメーションセル
EX版は機能においてはPro版の完全上位互換です。
バージョン間の機能の違いは公式サイトの機能一覧に図があるので参考にしてください。
Pro版を購入後、差額だけ払えばEx版にアップグレードできるので、迷ったらPro版から買えばよし。
基本的にこの記事では高価なEX版を前提に書いていきます。
Clip Studioの強み
イラスト界でトップシェアを誇るClip Studio
プロ漫画家も愛用するレベルの高機能さ、そして描きやすさは文句のつけようもありません。

穴の無いイラスト機能
イラスト制作機能は欲しい機能がそろっています。
ベクター線引き機能、ペンなどの各ツールの細かいカスタマイズなどの線画機能
「囲んで塗る」などの塗り残し防止機能も非常に評判が良く、使い方に慣れれば作業効率はかなり上がります。

強力な漫画支援機能
他のイラストツールに比べた強みは、何と言っても漫画機能の豊富さ(元はComic Studioという名前でしたし)
グレースケールの塗りをトーンに変換するトーン化機能
コマ割りをサクサク行い、さらにコマ外のマスクまで自動作成するコマ割り機能
複数ページの漫画を簡単に管理できるページ管理機能
などなど、他にも列挙しきれないほどの便利機能が山ほどあります。

他にはないアニメーション機能
イラスト専門の人には縁がないかもしれませんが、他のソフトには無いアニメ機能が使いやすい
昔、ブラウザゲームを制作していた時にかなり重宝しました。
アニメのフレーム管理やら、プレビューも簡単
前後のコマの絵を透かし表示するなど、欲しい機能は一通り整っています。
普段はイラストを描いているけどアニメにも興味がある!なんていう人はClip Studioを選ぶと良いかもしれません。

他の人が作った素材を入手!
Clip Studioにはもともと豊富な素材が付属しています。
漫画で使用できる効果や背景のセット、汎用的なブラシなどこれだけでもなかなかのもの
それだけではなく、作った素材を配布できるCLIP STUDIO ASSETSというコミュニティがあります。
ここで他の方が作った素材をダウンロードしたり、自分が作った素材を有償販売したりすることができます。
無料の素材も多数ありますので定期的にチェックすると良いでしょう。
Clip Studio のデメリット
基本的に機能面で弱いところはありません。
ですが、その多機能すぎるところが初心者にとっては辛いところです。
上で紹介した漫画機能や、アニメーション機能も使わない人にとっては必要のない機能です。
レイヤーやマスクにも種類が豊富でとにかくボタンの数が多すぎます。
慣れるまで自分にとって必要な機能を使うのにどのボタンを押せばいいのか把握するのに時間がかかります。
というか6年以上使っている僕も把握しきれていません。
さらに多機能ゆえに動作が重くなりがち。
起動にも多少時間がかかり、スペックの悪いPCだと描いている途中に動作がカクついたりします。
大きいキャンバスでバケツ塗りをすると時間がかかったりしてイラつくこともあるかもしれません。

とにかく機能が多い

デザインも兼ねたPhotoshop
Photoshopの強いところ
フォトショの最大の強みといえば描くだけではないというところ
そもそもソフトの名前通り、本来は写真加工用のソフトですから加工機能の豊富さは圧倒的です。
テクスチャを張ったり、色合いを調整するのはお手の物
四角や丸などの単純な図形はシェイプツールで正確に手早く作成できるので、簡易的な背景もすぐに作れます。
幾何学模様は短時間作れるかっこいい背景になるのでオススメ 図形であれば塗色や線の太さの調整も出来ます。
手描きの線に強いのがクリスタなら、数学的な図形に強いのがフォトショといった感じ
Photoshopひとつでデザイン関連の作業が一通りできるのが大きな強み
フライヤーなどの印刷物制作やWebデザインなどもこなすことができるので、イラスト以外の用途も豊富
世界的にメジャーなツールなのもあり、使い方を覚えていると就職で役立つこともあるのでデザインの仕事に興味があるのならオススメです。
コミュニティも盛んなので、無料で使える素材もたくさん見つけることができるでしょう。
Photoshopの弱み
まず、高額です。
Photoshopは現在、買い切りのプランがなく月額制で2,480円/月です。
1年使うだけでClip Studio EXの価格を上回ってしまうので、極めて高額だと言えます。
シェアNo.1のクリスタと比較していくと、やはり手描きイラストでは劣る点が多いです。
まず、デフォルトでは手描きイラストに優れたブラシが用意されておらず、入り抜きができるブラシ設定を自分で用意する必要があります。
ブラシ設定次第では十分手描きで使えるブラシが用意できますが、それでもClip StudioやSAIに描き味で劣るという意見はよく耳にします。
Clip Studioと同様に機能が多すぎるのも初心者には辛いところ
元々イラストソフトではないので、機能の広さではClip Studioすら超えるのでとにかくボタンが多い
イラストを描くだけならまず使わないような機能が盛りだくさんです。
作業中の動作はそこまで重くないものの、起動や保存は時間がかかるため低スペックのPCでの使用は厳しいです。
漫画機能に関してはClip Studioと比べると大きく劣ります。
ツールを駆使すればコマ割り、トーン貼り等はこなせますが特別便利な機能はありません。

機能量はクリスタすら超える

イラスト特化のSAI
シンプルにイラストに強い!
SAIも歴史の長いイラストツールで根強い人気を誇ります。
まず、Clip Studio EX版よりも安価で5,400円の買い切り
31日間の試用が可能なので、まずは使ってみてから購入を判断することもできます。
カラーイラスト特化のソフトなので、良くも悪くも機能が絞られています。
当然イラスト機能は豊富でベクター線画にも対応し、ペンツールの設定もバッチリです。
描き味が評判で、線画はSAIで描いてそれ以降の工程はPhotoshopで行うという知人もいます。
動作が軽快で起動も早く低スペックPCでも大丈夫
動作の速さは描き味にも影響してくるし、作業ストレスも少なくなるので大切な要素です。
ボタン配置も比較的シンプルで、使い方も早く覚えられるので機械に弱い人にもオススメ
イラスト以外の機能は少ない
上で描いたように良くも悪くもイラスト特化
漫画をサポートしてくれる機能はほとんどありません
トーン貼り、コマ割りは可能ですが専用の機能が無いので、いろいろと工夫が必要
SAI熟練者が公開している情報を見ながら頑張って覚える必要があります。
文字を入れる機能もSAI2になってから追加された新機能なのでまだ少し使いづらい
フォントサイズの設定や色変更の操作が他ツールに比べると手間が多いです。
クラウド関連の機能が無いため、複数PCでのデータ共有はUSBなど自前で用意する必要があります。
コミュニティも公式では用意されていないので、素材の流通もClip Studioに比べるとやや少ないです。
(個性的なものが少ないだけで、汎用的に便利な素材はWeb上に落ちています)

すっきりした画面で使いやすい

無料で高機能 MediBang
急速にシェアを伸ばす人気ツール
上に挙げた他ツールに比べてかなり新しいツール
無料でPC、タブレット、スマートフォンで利用できるため非常に手軽
機能も無料とは思えないほど幅広く、使いやすいです。
会員登録すれば無料でクラウドも利用でき、これがとにかくすごい!
スマートフォンとPCで簡単に作業を共有できるだけでなく、複数人で共有することもできて共同作業もできる。
さらにクラウド上のフォント、素材も利用できるので漫画制作に必要なものが一通り揃う。
PC版には漫画のページ管理機能、コマ割り機能まで付いているのに動作も軽く非常に使いやすいです。
有償ソフトに一部機能は劣る
高機能とはいえ、無料ソフトだけに機能面では劣る部分もあります。
一番大きいのはベクター線の描画ができないところでしょう。
描いた後の線の修正ができず、拡大縮小すると品質が劣化してしまいます。
Clip Studioのベクター消しゴムは非常に便利な機能だったのでこの差は個人的に大きい。
あとはレイヤーカラー変更ができないところでしょうか
Clip Studioであればレイヤーカラー機能によって簡単に線画の色の変更などができたのですがMediBangには無し
液タブユーザーの僕としては少し困ったのが指でのタッチとペンでのタッチを区別してくれないところ
ClipStudioと同じ感覚で操作するとキャンパスの回転や移動がやや不便です。
こんな感じで細かい部分で有償ソフトに劣る部分があります。

シンプルで軽量

それぞれのソフトの長所を気にして選ぼう
ざっくりと紹介してきましたが、それぞれのソフトに長短があります。
価格も結構差があるし、ソフトの使い方に慣れるのは良い作品を効率よく作るのにとても大切です。
迷ったらまずは無料で使用できるソフトを使ってみると良いです。
SAIの試用版とMediBangは気軽に試せます。
これらを使ってみてから、Clip Studioなどの有償ソフトとの機能差を調べて最終的な選択をするのがオススメです。
ソフトごとに描き味に差はありますが、作品の質に影響するレベルの差はありません。
あくまで作業効率や、作業ストレスに少し影響してくる程度です。
あれこれ悩んでも仕方がないので、まずは1枚無料ソフトで描いてみましょう!
どんなソフトが自分に合っているか見えてくるはずです。